こんにちは!現役京大生のぽとろです!
今回は「合格できる多浪の特徴」と題しまして、多浪の中でも特に「合格できる多浪」について解説していきます。
私は多浪の末に京都大学に合格したという経歴を持っています。また浪人生活や大学入学後にたくさんの多浪と接してきました。色んな人から聞いた話や自身の経験から、合格した多浪は合格できなかった多浪とは何が違ったのかを考察していきます。
現在多浪として受験勉強に励んでいる方々や浪人をすべきか迷っている方々、そのほか受験や浪人について興味のある方々に読んでいただければと思います。
一般的な多浪のイメージと現実の違い
まずは合格する多浪について語る前に、世間一般のイメージと現実の多浪の違いについて説明します。
多浪は遊んでばかりで勉強しなかったから合格までに時間を要していると思われがちです。
実際にいつまでも勉強を熱心にせず成績を伸ばせない多浪も存在しますが、多くの多浪はそれまでに何かしらの原因(進路再考、精神的に病んでしまう、本番の不調など)があり、半ば仕方なく多浪を選択しているのです。決してすべての多浪が怠惰というわけではないのです。
このことを念頭に置いたうえでこの先の内容を読み進めていただければと思います。
合格する多浪の特徴
合格する多浪の特徴は以下の4つです。
・確固たる信念を持っている
・勉強習慣を継続できている
・自己分析ができている
・不運ではない
私はたくさんの多浪を見てきましたが、合格した人はこれらの項目をほぼ満たしていました。順に詳しく解説していきます。
確固たる信念
確固たる信念は、何年も受験勉強を続けていくうえで最も大切と言っても良いでしょう。大抵の受験生は第一志望に特別なこだわりはないため、浪人はせず現役時に受かった大学に行く選択をします。それで合格できるかどうかは置いておくとして、多浪の信念は彼らを凌駕しているのは間違いないです。
一年死ぬ気で勉強をした後に不合格を突き付けられ、もう一年必死で勉強しても成績を伸ばせる保証などあるはずもなく、親に多大な迷惑をかけ、自身の将来に大きな悪影響をもたらすかもしれないという状況で浪人を継続するというのは並大抵の覚悟では不可能です。
また、不合格という大きな失敗をした後に精神を立てなおしたり、自身の失敗と向き合って勉強法を改善したり、成績が伸びると信じて毎日勉強を継続していくことも非常に精神力が必要となります。
多浪が成功するにはこれらの大変な工程をこなしていくだけの理由が必要なのです。
理由の多くは第一志望への憧れ(研究内容、校風、ネームバリュー)や卒業後の進路への必要性(特に医学部)です。尋常でないプライドが理由である人もたまにいます。
そして信念ではありませんが、これに加えて「後に引けない」という感情が加わることも多いです。多浪は「すでに何年も受験に費やしてしまったのだから、ここまで来たら受からないとやめられない」という状況に陥ってしまうこともあります(コンコルド効果とかサンクコスト効果とかいうやつです)。
積極的であれ消極的であれ、多浪が第一志望に合格するには常軌を逸した動機が求められます。
ただ、このような並々ならぬ信念を貫き合格を勝ち取った人たちは、多くの場合しっかりとした自分の軸が持てているという印象があります。
私自身高校生までは周りに流されて物事を決めていた節がありましたが、多浪を経て自分のやりたいことを明確に認識し、自分で行動を決定できるようになったと感じています。
当たり前のことだと感じるかもしれませんが、私には一般的な社会のレールに沿って人生を歩んできた人たちの多くは半ば流されて選択をし続けているように見えます。人と違った選択をするということは大きなリスクを伴うため、多くの人は周りに無意識に合わせてしまうのです。
多浪の末合格した人はすでに受験において多浪という大きなリスクを背負ったうえで成功を収めているため、そのような経験が無い人と比べて周囲に依存することなく物事を決定できるという傾向があります。
勉強習慣の継続
当然成績を伸ばすには勉強習慣を継続しなければなりません。浪人経験が無い方は「前年までにある程度成績は伸びているはずだから、そこまで勉強しなくても成績は伸びるのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現実はそこまで甘くはありません。
大学受験は多くの科目で高得点を取ることが要求されます。特に難関大の場合、共テでも二次試験でも多くの科目を勉強しなければなりません。科目が多いと成績をキープするのも一苦労なのです。例えば英語を読むスピードを維持するために定期的に長文を読んだり、数学の解法を忘れないように分野の偏りに気を遣うなどのメンテナンスが必要となります。
個人的な体感ですが、難関大志望であれば一日4、5時間(志望校の難易度や文理によって多少変わるかも)くらい勉強していれば学力の維持はできると思っています。逆に言えばそれを下回ると成績は伸びるどころか衰えていきます。成績を伸ばそうとするならこれを大きく上回る量の勉強が必要です。
したがって、多くの科目のメンテナンスを行いつつ前年より成績を伸ばそうとするならある程度の勉強時間は必要となります。
もちろん受験は長期戦ですから毎日勉強を継続する必要もあります。
結局、それまでに大量の時間を受験勉強に費やしてきた多浪でも、合格のためにはさらなる勉強時間の捻出が必須となるのです。
実際私が何人もの多浪と接した経験から、勉強習慣は合格率とかなり正の相関があったと感じています。多浪の中にはバイトや仮面浪人などで勉強時間を捻出できない人も多くいますが、そのような人達はなかなか合格できていませんでした。
前年にどのくらいギリギリで落ちていたかということよりも、一年間でどれだけ勉強できたかのほうが勝敗のカギを握っているといって良いでしょう。
自己分析
成績を伸ばすにあたっては自己分析が必要です。特に複数回受験に失敗している多浪は、その必要性が他の受験生と比べてかなり大きいです。
同じような勉強をしていては成績の伸びはあまり期待できませんから、不合格を貰うたびに何かを大きく変えなければならないのです。
また、多浪を経験する中で自己分析ができるようになっていくという例もあります。誤った自己分析により失敗し、合格のために試行錯誤するうちに正確な自己分析ができるようになるというわけです。
実際に私はこれに当てはまり、高校生の時と比べて自分に対する認識の解像度がとても優れたものとなったと感じています。自分の長所や短所が明確に分かるようになり、それを活かして環境を選んだり進路を決めたりできるようになりました。この自己分析能力は私が長い浪人生活で手に入れた非常に有意義な能力だと感じています。
不運ではない
多浪に限ったことではありませんが、最後には運も必要です。
受験に絶対はありません。A判定を取り続けていたのに本番では落ちてしまったという人は毎年数えきれないほど現れます。
私自身大学別模試で全国3位を取ったのに本番数学で大失敗して落ちたことがあり、なんて運が悪いんだと絶望したことがあります。多浪の末に合格した人のなかにも同様の経験をした人はたくさんいました。
点が取れなかった原因は運の悪さではなく自分の勉強不足であったということも往々にしてありますが、多浪の不合格エピソードを聞いていると運がまったく関係ないとは思えないのです。
多浪の多くは逆転合格を目指しているわけではないので、決して幸運である必要はないのですが、少なくとも「不運ではない」ということが合格には必要だと感じています。
まあこれに関しては何か対策して変わるということもないので、そういう考え方もあるかもなあとさらっと流していただければいいです。
まとめ
多浪が合格するためには漫然と勉強をするだけでは不十分です。今後多浪をする、もしくは現在多浪の最中であるという方々は是非この記事を参考にして、ご自身の受験との向き合い方を振り返っていただければと思います。
多浪は修羅の道ですが、正しい努力を継続できれば合格は不可能ではありません。決して諦めることなく合格をつかみ取ってください。多浪の末に合格を勝ち取ったという経験がきっと、いや、間違いなく今後の人生で大いに役立つ宝となります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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